人の輪の中にいても「寂しい」と感じてしまうのはなぜでしょう?
それは、自分の本音を隠しているからです。「本音」を隠すのをやめることで、自分も相手も認めることができるようになります。そんな解決のヒントが著書にもありましたので、引用してご紹介します。
- 人の輪の中にいても常に「寂しい」と感じるのはなぜ?
- 自己開示は、好意と信頼の証し
- 自分もわかれば他人もわかるようになる
- 他人を認めることが自分を認めてもらう原点
人の輪の中にいても常に「寂しい」と感じるのはなぜ?
本音での人づきあいに慣れていないため、距離感の取り方や、ケンカをした時に関係を修復する方法がわからない。自分に自信がないから、嫌われたらどうしようと傷つくのを恐れる。そしてますます本音が出せなくなる。
自分が本音をださなければ、相手は心理的な距離感を感じます。
そして「この人はあまり自分のことを話したくないんだな」「あ、この人にはあまり踏み込まない方がいいな」と考えます。つまり相手も本音でつきあってくれないわけです。
人は鏡です。ぞんざいな言葉を投げつければ、ぞんざいな言葉が返ってくる。笑顔で優しい言葉を投げかければ、相手からもにっこり笑顔が返ってくる。
だから人の中にいて疎外感を感じる人は、実は無意識のうちに、自分の方から周囲を疎外し、自分の中に閉じこもっているのです。
自己開示は、好意と信頼の証し
孤独を恐れてしまう人は「周りは自分のことを理解してくれない」という不満を持っていないでしょうか。
しかしそれは、自分が他人のことを理解しようとしていないから。
自分でそんなつもりがなくても、そもそも自分を開示していないし、本当の意味で周囲の人を理解することにも興味がなく、他人にどう思われるかで頭がいっぱいなのです。
だからたとえ最初はうまくいかなくても、本音を出して人とつきあうことです。
本音といってももちろん、言葉を選ぶ必用はあります。
相手の行動が不満だからといって「なんでそんなことをするの!」という言い方ではなく、「自分はこうされると悲しいから、次からはこうしてくれるとうれしい」とか。
「それは違うと思います」ではなく、「あなたの意見もわかります。でも自分はこう思います」
「それはイヤです」よりも「自分はこうしたいです」など・・・
相手の意見や考えを尊重しながら、素直な自分の感情を出すことです。
自分もわかれば他人もわかるようになる
自分の心の動きを冷静に観察できるようになると、他人の感覚にも敏感となり、相手の行動や、発言の背景や真意が自然に理解できるようになるはずです。
自分というものがわかればわかるほど、他人のこともわかってくる。
自己理解が他社理解を促進させる効果があるからです。
たとえば、「今日、あの人に無視されてムッとした」という場合。
「いつもは朗らかなのに、どうしたんだろう」
「何かまずいことを言ったろうか」「いや、そんなことはない・・・」
「もし自分が無視するとしたら、どういう場面だろうか」
「忙しくて余裕がなかったんだろうか」
「考え事をしていて、自分に気づかなかったんだろうか」
「明日は笑顔で接してみよう」
「違う話題を振ってみよう」
「それでダメなら何か私に言いたいことがあるということかも」
「その時は何でなのか聞けばいいか」
そうやって自分だったらどう思うか、自分だったらどう行動するかを、もう一人の自分が見つめ、「こうではないか」「ああではないか」と自分の感情に照らして考えを巡らせてみましょう。
自分の気持ちがわかれば、他人のことも「たしかにそう感じても仕方がないよなあ」などとわかってくる。
これは「深読みしすぎる」というネガティブな意味ではなく、「次からこうしてみよう」というアクションにつながる想像です。
またひとりを恐れる人は、自分の感情の動きを見る余裕がないせいか、自分の痛みや苦しみだけに飲み込まれがちです。
他人の心の動きを察知する余裕がなく、なぜ相手はそうゆう言動をするかも理解できません。
そうやって不満ばかりがどうしても高まります。
そうゆう人ほど「なんでわかってくれないの」「なんで自分ばっかりこうなるの」「どうせ自分は」「だって、でも・・・」と自分が中心です。
孤独の中で内省の習慣ができると、仮に意に反する出来事や結果になったとしても、自分の苦しみや悲しみを受け入れ、静かに耐え、意味づけし、飲み込んで消化できるようになります。
そして、そういう心の動きを自分で察知し感情を処理する力が高まると、何も言わない人にも、それぞれ苦労や悲しみがあること、それを無言のうちに察することができるようになります。
人には人の事情がある、皆それぞれ色々ある、自分だけが特別に不幸なわけじゃないんだ、と。
だから絶望感に襲われることもない。
他人を思いやれる人は、自分の感覚を思いやれていることです。
他人を認めることが自分を認めてもらう原点
「自分を認めてほしい」という承認欲求は誰にでもある自然な感情です。
だから自分の話を丁寧に、肯定的に聞いてくれる人には自分を認めてくれていると感じ、人は心を開き、信頼し、好意を抱くようになります。
逆に「~してほしい」「あの人は~してくれるはずだ」と相手に依存していると、期待とは違う反応の時にがっかりしたり、イライラしてしまう。
同様に「誰も自分を愛してくれない」「大事にしてくれない」という人は、実は本人の方も誰も愛していないしい、大事にしていないのです。
まずは自分から相手のことを認め、大事にすることです。
自分から手を差し伸べることができる人、そうゆう余裕がある人は、ひとりであっても常に誰かとつながっている感覚を持てるはずです。
だから人の輪の中にいても寂しさを感じにくいのではないでしょうか。
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